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月別アーカイブ 6月 2018

シニアエンジニアの合否を分けるものとは

60歳を超えるシニアのエンジニアをプロジェクトに紹介している仕事をしていると
同じ年齢でもプロジェクトに入れる方と面談で保留となる方がいる。その差はなんだろうか。

シニアのエンジニアがプロジェクトに入るには・・少ない面談チャンスを確実に。

私がシニアのエンジニアを紹介しているのは、主に汎用機や、COBOLといったレガシィ系のシステムプロジェクトだ。でも、こうしたレガシィ案件の8割以上は実は年齢40代、50代といった制限がついている。さらに細かく50代前半までとつく場合がある。年齢不問とついていても、50歳代までと決まっている場合もある。
(年齢不問に60歳前半の方を提案して5分で却下されたこともあるし、”この年齢の方は・・・と言われたこともある。)
60歳超えても、プロジェクト先の面談までいけるチャンスは現状ではまだ少ない。だからこそ、面談までいったら、確実にOKもらわないとチャンスは遠のくことになる。

プロジェクトで求められるスキル・・特殊技術がもとめられることは少ない

同じ年齢でも面談に通る人もいれば60歳超えてる方でも、面談で受かってプロジェクトに入れる方と保留になってしまう方がいる。もちろん、職歴の差もあるだろう。技術の差もあるかも知れない。でも面談でその人の”技術”を正しく推し量るすべはない。面談で具体的なテストが課されることはない。
プロジェクトによるだろうが、案件で回ってくる内容は、(私個人の感覚として)技術的にかなり詳しい人でないと対応できないような案件は少ないと言える。COBOLの技術の詳しさよりも、プロジェクトで規定されているルールに対応しながら、どれだけの量のアプリを品質よく作れるのかがメインとなる。特殊な技術は重要ではないのだ。普通のエンジニアがほしいのである。

受かる60代と受からない60代の差:ちゃめっけ、しゃれっけが大事

技術要件を満たしてたとしても、面談に受かる60代と受からない60代が実際いる。何が違うのだろうか。
その差とは、私はその人の”人間力”の差ではないかと思う。
仕事はプロジェクト、チームで行われる。チームに一緒に入れたい人にならなければ面談はクリアできないだろう。
例えば、しっかり”仕事をやってくれそう”といった人間的力強さも必要だろうし、若い人とコミュニケーションをとるためのある種楽しさ”ちゃめっけ””しゃれっけ”が非常に大事なのだ。
もちろん表面的なことだけではなく、こうしたものを兼ね備えている方が60才を超えてもプロジェクトに参画できる方ではないかと思う。面談相手に”この人大丈夫かな?”と不安を抱かせるようだと難しいのだ。

人間力を高めるために→楽しい人間になる

60歳過ぎても皆さん活躍してほしいので是非とも人間力を上げて臨んで頂きたい。人間力を向上する方法は一杯ある。ググれば大量に出てくる。相手から見て”楽しい人間”になれれば人間力は高いといえるだろう。

エンジニアのマーケットに年齢という壁が現状存在しているのは事実である。それは不合理な部分もあるが、現状においてすこしでもあるチャンスを有効に生かして、シニアのエンジニアには活躍期間を延ばしていってほしいものである。そのお手伝いをすこしでもできればと思う。

シニアが生き延びるコツ :自分を”ちゃんと”説明する。

シニアエンジニアの就労支援の中で、様々なシニアのエンジニアの方々とお会いするが、ときどき、「この方もっとアピールできるのにな。」と感ずることがある。
シニアの就労で重要なのは、面談でうまく自分のスキルや人柄を伝えられるかだ。成長性を売りにできる若者とは違い、シニアは過去での蓄積(経験、スキル、人柄)を売りにしているからだ。この「蓄積」を面談でうまく出せれば成功間違いなしだ。

「つまらない者ですが・・」で面談通れば楽なことないのですが・・

ときどき事前面談していると、「大したことやってきていないので・・」とか「所詮 〇〇みたいな仕事なので、アピールするところなんて・・・」とか謙遜される方がいる。経歴書見ると、同じ技術を長くやられたり、同じ仕事で大手を渡り歩いていたりされている。
経歴書見て、そんなことないのではないかと思うのだが多くの方は、自分アピールはやっぱり苦手なのだ。

長い時間かけて選んだお土産を買っていっても”つまらないものですが”と言って手渡す”奥ゆかしさ”を身に着けた日本人にはそもそもやりにくいものなのかも知れない。でも、お土産渡すときの”常識”としてあるこの言葉も、”面談”となると使えない。
面談で”つまらない者ですが・・”と言って合格する人はまずいないだろう。人の”良さ”を示すこの奥ゆかしさは面談ではマイナスである。
若者とは違ってシニアは過去での蓄積(経験、スキル、人柄)を売りにしている。だからこそ、自分をわかってもらうための”努力”をしないといけない。

面談は、その人となりを知る手段の重要な手段のひとつ。自分自身のことを分かってもらう場であるのだ。

自分を知る(ための準備をする)

そのため、シニアの方には少し自分自身を紐解いてみることが必要だ。長い経験をしてきている以上、仕事上のいろんな事件があったはず。そのとき自分がどう感じ、考え、どうアクションしてきたのか、改めて見つめてみよう。
そのうえで自分の長所、短所がなんなのかを整理することがおすすめだ。自分の長所、短所、それを示すエピソードをまとめられるといいのではないかと思う。

「ライフラインチャート」や、「自己アセスメントシート」等を作成してみるがいいのではないか。
ただ、シニアは、人生長い分、過去の洗い出しは大変だ。20歳からのライフラインチャートを始めると、現在に近くになってくるとエネルギがつづかなくなる。まず自分の印象に残っている仕事やプロジェクトから洗い出してみよう。ない場合は、最近から作ってみるのも手だ。

世の中のほとんどは普通の仕事で成り立っている。

そうは言っても、大したネタはでてこない。やっぱり洗い出ししても、「大した仕事はしてこなかったな」と感じたり「大した山、谷ないな・・」とか逆に認識して、煮詰まったりする。アピールポイント見つけるための作業が、無いことを再認識したりなんてことに。
でも、大丈夫。世の中のほとんどの仕事は、普通の仕事で成り立っているのだ。
誰しもやっている仕事が新聞に取り上げられたり、ニュースになって注目を浴びたいと思っているかもしれないが、そんなことはまれだ。スーパーマンなんてめったにいない。
だからと言ってアピールポイントがないということではない。いま必要なアピールポイントは、あなた自身を特徴ずけるアピールポイントなのだ。
あなたがして来た仕事の中には、かならずあなたを特徴ずけるアピールポイントが必ずあるはずである。

もっと自分(がして来た仕事)に自信をもって

長く同じところで働いてこられた方、それには理由があるだろう。長く働いてこられた理由、顧客やメンバーとの信頼関係、仕事での経験の深さや対応力等あるのではないか。同じ業界で転職されてきた方は、まさに業務スキルを”買われた”のかも知れません。
人それぞれ、周りの人の”評価”があったからこそ、継続的に働いていられるのではないでしょうか。
こうしたアピールポイント、それを裏付けるエピソードや、経験が”誰しも”あるはずである。自分が今まで働てきたことにもっと自信を持ってもいいのではないかと思う。

自分を”ちゃんと”説明する。理解してもらう姿勢が大事

自己アピールというと、大げさにとか、かっこよく、誇張してというイメージがあるかも知れません。でも、そんなことは必要ありません。誇張すれば、逆に”引かれてしまいます”。
面接する方は”プロ”ですので、誇張もわかれば、たとえ運よく”ばれなく”ても雇用関係を継続することは難しくなるでしょう。
必要なことは、控えめでもなく、誇張でもなく、”ちゃんと自分を説明する”ことです。
シニアの方によっては、面談を”黙っていても俺の能力はわかるだろう”と思っている方もいらっしゃいます。残念ながら、付き合って来た方ならともかく、初めての方には”わからない”のです。自分を”理解してもらう”姿勢も必要なのです。
自分自身を理解し、自分を”ちゃんと”説明することそれがシニアが自分の”蓄積”をもとに長く働ていけるひとつのコツだと思います。